アル厨の在宅ワークと育児の記録

外資系企業サラリーマンの在宅ワーク期間中の備忘録(たまにNTRにハマる友人について触れるのでエロく乱れます)

7月3日(金) 曇りのち雨

 風を通そうと部屋のドアを開けて仕事をしていると、このところ下の子がリビングからハイハイをしてきては「私が来ましたよ」と言わんばかりの笑みでままならない言葉を発しながら僕のところへやってくる。視線の高さが調度良いのか目につくのか部屋の入口に積んである読み終えた本の中から、何故かいつも村上春樹アフターダークに手を掛けようとするのだが、それに触れようとするところで妻に捕獲されるように連れて行かれるというのを繰り返している。
 上の子がこれくらいの年頃の頃には当然オフィスへ出社していたため、この頃の印象は薄い。まったく記憶に無い訳ではないし、過去の写真を見返すと着ている服や髪型でこれはいつ頃の写真だというのは割と事細かに記憶をしていると思うが、やはり何でもない日常の中で接していると、ひとつひとつ出来るようになっていくことにも気づきがある。バイバイと手を振ったり、手を叩けるようになったり、テンション高めの時はハイハイがスピードアップするなどもそうだが、この所振り返ると捕まり立ちをしていたり、観葉植物へ伝え歩きをしては歯を千切ろうとしている。その度にすんでのところで妻に抱きかかえられては玩具の置かれた定位置まで連れて行かれるのを繰り返す。

 上の子に誕生日は何をしたいかと問うと「パパとママと3人で過ごしたい」と言い、流石に0歳児を放置は出来まいと返すと、「仕事を早く終えてお酒を飲まずに何処かへ連れて行って欲しい」と言う。
 何のことを言っているのかと考えてみると、昨年の2人で過ごした誕生日に食事を取った駅前のファミレスのことを言っているようだった。上の子は最近生意気なことを言ったり、反抗的な態度を示したりもするようにもなったが、事あるごとに2人で過ごした昨年のこの頃の話題を出して来たりする。上の子にとっても印象深い日々だったのかも知れない。

 確かにそんな日々も毎日酒をのみ、家事の合間の買い出しにも水筒にレモンサワーを入れては持ち歩き、幼稚園の迎え後に向かう病室でも水と見せかけて水筒のレモンサワーを飲んでいた。振り返ると自分で嫌になるのだが、車を使わず出掛ける際は上の子を抱っこ紐で抱えながらいつも手元には氷結ストロングがあり、ベビーカーを押している際も常にそんな状態だった。マンションでは「旦那さんいつもストロング缶持ってますね」と幼稚園のママ友に言われると妻が言うのだが、妻はそれについて僕を咎めるようなことなかった。
 そんな様子で二日酔いで有給を全て消化してしまうことが何年か続き、酒量を抑えなければ健全に生きていられないことに何となく気付き、昼間から飲んで休日を台無しにしてはならぬと、ようやく出先でも飲み步く日々から抜けられた。自宅もしくは居酒屋などで夜だけ飲むに留めることが出来るようになったのはここ2年くらいの話だ。
 仕事を終えても最寄りのコンビニから帰りの電車、自宅へ帰って夕食を取る間もアルコールが途切れることはなかったし、いくら二日酔いで酒なんて二度と飲まないと苦しい思いをしながらも、夕方には唾液腺から氷結ストロングレモンの味がするような気がして何事も無かったかのようにまた最寄りのコンビニへ駆け込む日々だった。

 週初めに届いた大きなスイカは今年は妻がやはり四等分に綺麗に切り分けて、近所の友達に分けていた。仕事を一旦切り上げて子供達を風呂に入れようとキッチンを覗くと、ダイニングテーブルでスイカを貪る上の子の顔が必死だった。
 日々の成長や変化と言う面では上の子にも同じことが言える。身体に対してまだ大きなランドセルを扱う手元はやはりまだどこかぎこちなく、生活の上のでの行動の範囲が広がって逞しくなったようにも感じるし、反抗的な態度をいくらとってこようが靴下のがらはピンク色の猫だ。登校時に家を出る際の緊張した表情は最近いくらか和らいできた。
 リラックスさせたくて荷物を全て背負って仕度が出来た時に両手で脇を抱えて高い高いをして送り出す。下の子に同じことをやるとやはりまだ半べそをかくのだが、試しに毎日繰り返している。

 

7月2日(木) 快晴

 一昨日の大雨に続き、昨日は「何ですかお前は。台風ですか?」とでも言いたくなるような風の強い日だった。
 昨年の調度この日から1カ月間、在宅ワークで上の子と二人で過ごす日々を開始した。下の子の出産を控えた妻が臨月まで入院を余儀無くされたことによるもので、自宅で仕事をしながらの家事育児を課されたこの期間を自らワンオペパタニティライフと称し、これまでナンパネタやエロネタばかりを呟いていたTwitterで日々のログであったり、noteで音声日記を配信していたりしていた。
 他の育メンアカウントとの繋がりを微かに期待しての試みであったのだが、何のこともなくその様なフォロワーは一向に増えず、微増するのはナンパを趣向とするアカウントばかりで、SNSでのブランディングセンスの無さを痛感した。あるいは、専用のアカウントを作っての試みであれば少し与える印象は違ったのかも知れない。

 SNSでは自身をアイコン化することが出来る。言うなれば別の人格としてもしくは自身の一部の人格を切り出してアイコン化することが出来る。そこでは顔や素性を晒す必要性も無く、発する言葉のトーンや思考の流れで生態を表現することが出来る。
 Twitterを始めた当初の僕はナンパや出会いに関する話題であったり、男女の情事について、書き上げたナンパ小説の拡散を主としていた。当然ながら妻帯者の子持ちであることも公言せずとも成り立つため、素性を晒すのもツイキャスなどでついつい喋ってしまう形で段階的であった。
 そんなアカウントが急に育児について語り始めても当然響かないだろうとは思いつつも、目論見としてはこれまで行動の大半を股間の人格によって支配されていたヤリチンオトコが育児に翻弄される様を晒すのも面白いと思ったのだが思い切り滑ったというお話。

 入院が決まり俯く妻には「勤め先が在宅ワークなども制度として許容しているので、オレが子供の送り迎えや家事も含めて全部やってやるよ」と意気揚々としていたのだが、その日を迎えるまでに妻から断片的な必要事項の共有しかなく、日に日に恐怖を覚えて新品のノートにこれまでのノウハウを書き出してもらった。
 弁当が必要な曜日や作り方、洗濯の仕方、曜日によった幼稚園の時間割など、事前に聞かされないとやれるはずもないことが意外に多く最初の2日で音を上げそうになった。妻にとってそれらは、考えながらやっていることではなく、既に何年も前から日常の習慣と化していたことで、敢えて言葉で伝える必要性を感じていなかったのかも知れない。
 対して僕の方には、業務を通じて仕事を引き継ぐ時の必要なステップがいくつかあり、そういった基準や拠り所に沿って言語の違う海外の部隊へのオフショア活動などを頻繁に行っていた。ゼロから何かを担えるように習熟させていくためのフォローアップもそれなりに得意であったこともあり、仕事に例えると何という丸投げなのだと驚愕しつつも後には引き返せない。

 そういえば今週の初めに身に覚えのない荷物が届いたと思ったら、妻方の実家からスイカが丸ごと届いた。昨年のこの時期に受信したLINEメッセージの記憶が甦る。
「スイカが丸ごと届くから、四等分に切ってご近所に配りたいんだけど出来る?」
「切るってどうやって?丸ごと切れるの?ってかいつ?」
「適当に4つに!出来れば明日!」

 未だ不慣れであったリモートワークの傍らまな板よりも大きなスイカに包丁を入れるという行為は、Excelでデータを揃えたり、Power Pointでプレゼン用のスライドを作成するよりも僕にとっては大仕事だった。
 今月はこれらの日々を振り返ることが増えそうだ。

 

6月30日(火) 雨

 寝る前に飲むと翌日調子が良いことを知ったビタミン剤と胃腸の薬を飲むのを昨夜は忘れていたと、明け方に目が覚めリビングから外を眺めると既に雨音響いていた。湿度は高いようで、外から流れて来る空気は冷たく感じて心地が良い。
 降るものだと知っていながらも朝から降るのかとも思うが、リモートワークにより通勤が不要であるため外に出なければそれ程気にはならない。雨の日にわざわざ傘をさしてまで通勤することが如何に不毛なことなのかと嘆いていた僕にとって、天気をさほど意識しなくてよくなったのは良いことだ。
 風が強ければ裏返り、雨が横振りであってもそうでなくても足元は少なからず濡れる。傘のような不十分極まりない物体頼りなことがどうしても納得がいかないままだ。

 0歳の下の子の行動範囲が部屋の中での話ではあるがこの所飛躍的に拡大している。ジョイントマットを敷いたスペースを拡大すると、少年アシベのゴマちゃんのように匍匐前進をするようになり、遂には膝をついてあちこちへついて来るようになった。
 上の子を間近にしているせいか、言葉にならない言葉を発したり、幼児番組を眺めては裏声で何かを発声している。確かに産まれて間もない頃に抱きかかえて寝かせている時のグズり加減や体の動きから感じる主張からみて、上の子よりは我が強そうで手強そうではないかと妻とも話していた。
 自宅で仕事をしていると、そんな下の子が離乳食を食べているのと同じテーブルで昼食を取ることが出来る。そのためにストッケのトリップトラップシリーズの椅子を購入したのだが、座らせても直ぐに膝を立てて身を乗り出そうとするか、常時仁王立ちの状態ではある。我々の目を盗んでテーブルの上でハイハイをしようとするので、その内誰かの食べている皿に頭からダイブするのかも知れない。
 こういった話はディレクター陣や役職者からの声も同様で「今までは寝顔しか見たことなかった。仕事が忙しいのには変わりないが、合間に子供と遊べる」と、今年も来年も今のプロジェクトが続く内はクライアント先を訪問したり、自社に招くようなイベントでもなければ、基本リモートワークが継続されるのだろう。

 こんな感じの下の子を連れながらだと外食もそろそろ難しくなってきた。大人しく寝ていてくれている日ばかりではない。妻と僕で交代で抱きながらだとラーメンものびてしまう。
 そう言いながらではあるが、つい先日一年振りくらいとなる一蘭へ家族で足を運んだ。最近はスマホアプリからはお子様ラーメンなるもののクーポンが無料で入手出来るのだと知り、それであれば店舗さえ選べば比較的家族でゆっくりと食事が出来るのではないかと踏んで、最寄りの繁華街の店舗ではなく少し郊外の店舗へ車を走らせたのだがこれが正解だった。
 郊外とは言え流石の一蘭。Web上の混雑予想の表示の通り待ち時間は発生するのだが、整理券の発券さえ済ませれば駐車場に停めた車の車内で順番を待つことが出来る。専用の駐車場が利用出来るというのも非常に大きい。
 替え玉が210円とはどういうことだといつも思うのだが、お子様ラーメンが無料ということもあり、よく足を運ぶその他の店でランチ時よりもトータルで安く収まっていた。
 ラーメン屋に連れて行きすぎてラーメンに拒絶反応を示しがちな上の子が、ここならまた来たいと言っていた。やはり一蘭特有の味集中カウンターの独特の雰囲気やチャルメラ音、事前のオーダーシートへ記入するプロセスが他とは違って新鮮だったのだろう。幼い子連れ客が多い店舗だった。
 10倍の秘伝のタレがよく混ざったスープに固めの替え玉を突っ込んで食べ終えようとした時、片腕に抱いた下の子が体を曲げて片方の腕をスープに突っ込もうとするのをすんでのところで止めた。

 

 

6月29日(月) 快晴

 じめじめとした日が続くなか今日はすっかり晴れている。気温が上がるのは良いがこんな清々しい日が続いてくれればいいのにとYahoo!天気予報のアプリで週間天気予報を参照すると、早速明日から大雨らしい。

 週末は上の子の誕生日が近いということで、トイザらスへ玩具を買いに行った。もっと幼い頃はこんな日くらいはと金に糸目を付けずアレもコレもと買い与えていたのだが、大きな箱の玩具は置き場所に困るのだと最近になって学んだ。
 在宅ワークが続くため、少しでも部屋を綺麗にして快適に過ごせるようにと考えたのだが、思いの外片付けるためにはアレをこうしてソノ空いたスペースにコレを持って行き~~といった事前のプランニングの必要性を感じた。
 今になってキックボードが欲しいというので、本当にそれで良いのかと売り場で暫く問答していたのだが、結局は数ある玩具を次から次へと目移りして、最終的に縫製をお遊びを通して体験してみようといった玩具の箱を手に取った。対象年齢6歳以上との表記にしては少し慣れやコツが必要な様子で、早速妻がゆっくり時間が取れるまでお預けを食らっていた。

 お預けになったキックボードについては、上の子が補助輪を付けた自転車に乗れるようになったくらいには周囲の子供達が既に乗っていたこともあり、今買い与えたとしても既にお友達は飽きてしまっているのではないかとの懸念があり、ここで買わないなら近いうちに一回り大きな自転車を買い与えた方が建設的だと思えた。
 周囲の子供達はある時期からストライダーや自転車に乗るのもヘルメット未着用で猛スピードでマンションの敷地内を行き来し始めているのだが、あれで壁にぶつかりでもしたら額が割れると思い、我が子には問答無用にヘルメットを被らせているのだが、それには何一つ文句を言わずこちらが言うまで被りっぱなしだったりもするため、外で遊ぶ時に常にヘルメットを着用しているアラレちゃんの様だ。

 昨年の誕生日には下の子の出産を控えた妻が長期に渡る入院を余儀なくされていたということもあり、僕と二人で暮らす中迎えた誕生日だったが、今年は母親と下の子を交えて迎えられそうだ。
 調度妻が入院した頃に迎えた誕生日で、日中の仕事を自宅で済ませ、幼稚園を迎えに行っては病室へ見舞い買い物をして帰っては夕飯の仕度をするという日々を送っていた。慣れるまでは病室を出てエレベーターの中で号泣する姿を他の見舞い客に慰められていた。

 在宅ワーク中の今、当時のタイムテーブル見返すと改めて感傷深いものがある。

 03:30~04:30 起床
 04:30~07:00 入浴、前日の残業務/積読
 07:00~07:30 弁当作り、子供起床
 07:30~08:00 朝食
 08:00~08:30 洗面、着替え
 08:30~09:00 幼稚園送迎
 09:00~09:30 スーパー買い出し
 09:30~12:00 AM業務
 12:00~13:00 筋トレ、食事
 13:00~16:30 PM業務
 16:30~17:30 幼稚園送迎
 17:30~18:30 筋トレ、夕食仕度、洗濯
 18:30~20:30 夕食、当日の残業務
 20:30~22:00 入浴
 21:00~22:30 就寝

 誕生日の日は夕食は少しでも気が晴れればと、駅前のジュンク堂で絵本や塗り絵を買い、普段は連れて行くことの無いファミレスで夕食を取った。子供はパンケーキにドリンクバーをオーダーし、初めてのドリンクバーにテンションを上げながらカルピスを飲み過ぎ、パンケーキもパフェもほとんど残したのだが、僕がオーダーした牛肉が沢山乗っけられたサラダの牛肉はほとんど子供が食べてしまった。
 帰宅して飲みながら残りの家事を片付けてしまいたかった僕にとっては好都合ではあったが、仕事や家事、時間に追われる生活の中での年に一度の誕生日がこんな過ごし方で良かったのだろうかと、日付が変わる頃子供の寝顔を眺めながら考えていると気付けば翌日の朝を迎えていた。

 最後に話題を大きく変える。
 家庭のエピソードに触れた直後で非常に触れ辛いのだが、前回触れた性描写による指摘のためカクヨム撤退を余儀無くされた腰を振るヒトという作品について。現在こちらで少し形を変えながら、週末を利用して少しずつリリース中だったりする。ここでの話題とのギャップは我ながら大きい。
 https://novel18.syosetu.com/n0366gf/

 

6月26日(金) 曇り

 流石の㋅ということもあり、最近はじめじめと湿度が高く汗ばむ日も少なくない。少し日が空いてしまったがせっかくなのでタイムリーな話題をいくつか取り上げたい。

 まずはカクヨム金のたまごでこのアル厨の記録がオフィシャルに紹介されたこと。
 想えば元々カクヨムで実体験を元にしたエロ小説を描いていたら、直接的な描写を避けていたにも関わらず性描写の部分が不適切なのだと指摘をくらい、該当作品は苦肉の策で小説家になろうノクターンノベルズへ順次移行しているのだが、何かしらの作品を未完結の状態でカクヨムに置いておきたく、日常を語るエッセイを書き留めるに至った。不謹慎ではあるがコロナ禍もちょっとしたキッカケではあった。

 元々ナンパブログを小説タッチにアメブロで開始したのが2014年頃。この頃は300字くらいのもっとコンパクトなボリュームでほぼワンアクションずつを次のリリースが楽しみになるような形で日次でアップしていたら、ブログ村のチョイエロサラリーマン部門で上位にランクされる日が続き、ナンパものに登場するかつて憧れたAV男優が足跡を残してくれていったりしていた。

 そこから他のナンパブログと差別化を図るためにnoteで定期購読noteを開始し、安定感をもって作品をリリース出来ることをアピールしつつも、せっかく書き上げた作品が課金ユーザの目にしか留まらないのはもったいないと思い、そこでのリリース作品をカクヨムへ移行してコンテストに応募したらとあるコンテストの最終選考に残して頂くに至り、これはこれでネタになって良いと内心喜んだ。内心というのは実名で活動しているわけではないため、身近の知人にこの話を出来ないというジレンマによるものだ。
 それからも実体験を元にエロ小説をリリースしていたのだが、性描写に限らずもっと読みたいと思われるような形態で何かを書きたいと考えていたのだが、くだりの指摘をキッカケにアル厨の記録が生まれた。

 エッセイテイストであると過去のことに限らず、リアルタイムの日常をネタに扱えるので自由度は上がる。よくブログやコンテンツに起こすのであれば有益なものでなければといった固定観念や、PVや読者がついてナンボなのだという声はよく耳にするが、アル厨の記録に関してはTweetによる拡散でフォロワーのTLを汚すようなこともせず、ひたすら自己満で自分の描きたいことを自由にというのがモットーとなっており、他人の評価を一々気にせず自由にやれれば良いと思っている。そう言いながら金のたまごで取り上げられたことは非常に嬉しく、ここにも矛盾は生じているのだが、モノゴトは一本の線が通るように説明出来れば苦労しないのだ。

 過去に僕自身もとあるブログの虜になって日々の更新を楽しみにしていたことがあった。そういった癖になる文章がいつか書けたらと今でも思っている。
 当時僕が読んでいたのは今では削除されているが、FX関連のまるおという人のブログと、知人のキックボクシングジムの会長がWebサイト上で綴る日記だった。会長の日記にはデリヘル嬢が昼間は左官屋をやっていると知った会長が、作業車に作業服で自宅まで来てくれないかとリクエストしてプレイに臨んだといった過去などが綴られていた。

 タイムリーな話題としてもう一つ。仕事の合間に雑誌SPA!の取材を受けていた。昨今の話題となっているあることについてのインタビューであるが、ここでも小説テイストにコンテンツを起こしていることが話題になった。
 この件についてはまた何処かで語れることがあるはずなので、今はこれくらいに留めておきたい。

 

6月7日(日) 快晴

 毎日少しずつYouTubeで観ていたテレビ版のキャプテン翼中学生編を漸く見終えた。ラストはドライブシュートタイガーショットで打ち返してボールが頭上高くへ打ち上げらたところで延長にも及んだ激戦のタイムアップを迎える。
 このシーンは映画版や新・キャプテン翼のオープニングでも取り入れられた名場面でもあるのだが、実際は日向くんがスライディングでブロックしたことをタイガーショットで打ち返したと表されており、言い方だなと思う。

 次に手を出したのはゲーム版のキャプテン翼のBGMで、これもまたYouTubeで聴き続けるというマニアックな展開へと発展させてしまった。


 想えば僕がサッカーを始めたきっかけはファミコン版のキャプテン翼Ⅱを親戚のお兄ちゃんがプレイする横で眺めていたことがキッカケであった。
 サンパウロの翼がリオカップを制し、南葛高校の岬くんが国内の強豪を相手に全国を勝ち抜くのを準決勝のふらの戦まで横で見た後に、痺れを切らせて親に自分用のファミコンソフトを買ってもらった。

 僕がプレイし始めた頃にはその親戚のお兄ちゃんは既にゲームをコンプリートしており、裏技のようなパスワードを教えてもらうと有り得ないようなレベル設定の全日本代表がジャイロカップのアジア予選を戦っている途中だった。
 ひたすら必殺シュートを打ち込んではゴールネットを突き破って喜んでいたのだが、今考えると立花兄弟と巨漢の次藤くんのスカイラブツインシュートはそこで初めて知ったのだった。
 今でこそ当たり前に見ていられるが、初めて立花兄弟がスカイラブで飛ぶのを見た時に「彼らはサッカーの試合中に何をやっているんだ」と幼いながらに驚愕したものだ。他にもカミソリシュートやカミソリタックルと聞いて「カミソリって何だよw」といった第一印象だったように思う。

 

 調度習い始めたばかりの空手を辞めてサッカーを初めたいと親に言うと、当然のことながら空手は直ぐに辞めさせてもらえなかったのだが、今の実家が建ちそれまで暮らした街を離れるのと同時に空手を辞めた。
 新しい街ではサッカーの少年団に入団出来ると意気揚々としていたところ、何故だか親に猛反対を食らい、数カ月の押し問答のすえ何とか念願の入団を叶えたのだが、監督は全身刺青の男で手の指の10本の内の3本が根元辺りから無かった。

 

 ゲーム版のキャプテン翼は原作とは異なるオリジナルストーリーで、ネット上でもそのストーリー展開の評価は非常に高かったようだ。
 たまたま社会人一年目でアサインされたプロジェクトのサイトが九段下の靖国神社裏のオフィスビルで、昼休みに散歩をしているとそれらのゲーム製作会社であったテクモ本社を偶然見かけ、さすがに懐かしく感傷に浸ったものだ。
 BGMの話に戻すと、キャプテン翼Ⅲのアジア予選でのBGMが攻守版共にお気に入りである。

 

5月24日(日) 快晴

 緊急事態宣言が解除されるということで、週末を待たずして近隣のショッピングモールも着々と時短はあれど元通りに近い形での営業を再開していた。ただ売り場のあらゆるところに消毒液が設置されていて、元通りに近いとは言え何処か物々しさを残していた。

 

 このところ自宅から出ることの減った生活が続くこともあり、何てことない日常にも気晴らしをと良い香りに目が無い。たまたま今使っているシャンプー後のコンディショナーがレモングラスの香りで気に入っており、何なら仕事をする部屋にも何かうってつけのものは無いかと探していたところ、緊急事態宣言前に訪れたAesopで試した香水の香りに胸を打たれていた。Tacitという香りが良く売れていると紹介されるも、気に入ったのはHwylというスモーキーというのか緑を想わせる香りだった。
 帰りの車内でも手首をずっと嗅ぎ続けていたくらいに香りも長持ちするので、これは買いだなと1人でテンションが上がっていたら誕生日に妻が買ってくれると言った。
 もっとも香りが長持ちするのはオードパルファムと濃度によるものなのだが、多少価格が張ってもそれであれば納得だと言ったところだ。

 最寄りのAesopも営業を再開していたが、出入り口が制限されていて列を成している。集団を受け入れる体制にはなっておらず、家族連れでさえ一人ずつの入店と全店で徹底しているのだと言う。
 幸いお目当ては決まっていたので用件を伝えると、列に並んだ状態でフレグランスの全ラインナップの香りを試させてくれた。
 Hwylを試してやはりこれだと思いはしたが、やはりTacitが一番売れているのだと聞かされると何を思ったかとっさにTacitの購入に切り替えていた。
 元々の想定に反してではあるが、これはこれで良い。ただミディアムノート以降の香りの残り方がHwylに比べて強くない。自宅にいながら香りを持続させようと日に何度も吹き掛けてしまいそうだ。
 消費が早くなれば次は自分でHwylを買おう。いや、この際全ラインナップを制覇しても良いのかも知れない。

 

 緊急事態宣言中徹底して臨時休業を貫いていた通い詰めたラーメン屋も営業を再開していた。妻がそこの激辛ラーメンが好きで営業を再開したと知って連れて行ってやろうと考えたが、考えたら上の子がそこのメニューを余り好まない。であればと、土曜日は前の週に連れて行った上の子が好きなうどん屋へ行き、うどん屋の定休日である日曜日にそのラーメン屋へ久々に行ってはどうかと打診すると皆が週末の外食のプランに納得した。


 ショッピングモールの消毒液のくだりもそうだが、ラーメン屋もテイクアウトのメニューが新たに加わっていた。であればと、僕も妻も新メニューをオーダーしたのだが、これはこれで非常に美味しいのだがやはりこの店に来たらいつものやつでないとと、妻も僕も合点しながら指先を消毒して店を出た。
 我々は咄嗟の判断でついつい予め想定していたこととは異なる判断をしてしまいがちであるが、国内の自粛モードもこれはこれで上手くいったと言えるのではとも思えた。